こんにちは。
交通事故外傷担当の藤田です。
昨日は、年末についで梅雨時に交通事故が多いこと。
その原因が雨のせいで「滑りやすい」ことと「視界が悪い」ことにある。とお伝えしました。
今日は雨によってどのように滑りやすくなるのか、ということについてお話ししたいと思います。
自動車がコントロールできるしくみ
自動車は、発進する力、加速する力、曲がる力、減速する力、そして停止する力を路面に伝えることで
運転を行っています。
その力を伝えるには路面とタイヤの間に生じる摩擦力を利用しています。
つまり、自動車は路面とタイヤの間に生じる摩擦力によってコントロールされているのです。
自動車の動きを大きく変えようとすればタイヤと路面の間には強い力がかかります。
その摩擦力よりも強い力が路面とタイヤの間にかかればタイヤは路面の上を滑っていってしまいます。
なので、タイヤが滑ってしまえば自動車はコントロールができなくなってしまうのです。
摩擦力とその限界
摩擦力が大きければタイヤは滑りにくくなり、摩擦力が小さければタイヤは逆に滑りやすくなります。
その摩擦力は条件によって大きく変化するのです。
同じアスファルトの路面でも乾燥している時より濡れている時の方が、おおよそ10%〜40%ほど滑りやすくなります。
もし40%滑りやすくなったとしたら、ブレーキが効きはじめてから車が停止するまでの距離(制動距離といいます)が
1.67倍に伸びてしまいます。
時速40キロで普通自動車の乾燥した路面での制動距離が11mですから、単純計算で18.4mまで長くなってしまうのです。
自分では止まれると思ってブレーキをかけても止まりきれなかった。となってもおかしくないわけです。
さらにこの摩擦力はは「止まる」だけではなく「曲がる」時にも働きます。
ハンドルを切っても曲がりきれず、カーブの外側へ向かって一直線に向かってしまう事だってあるわけです。
乾燥した路面なら時速10キロでなんとかギリギリ曲がれたカーブでも、
濡れて滑りやすくなった路面の時は、時速3.6キロまで落とさないと曲がりきれなくなって滑っていってしまうわけです。
このように、路面が濡れるだけでこれだけ条件が厳しくなっていくわけです。
路面が濡れている時は注意が必要ですね。
ちなみに…
濡れているととても滑りやすいものに鉄板があります。
鉄板は乾いていればアスファルトよりほんの少し滑りやすい程度なのですが、
濡れた鉄板はとんでもなく滑りやすくなるので注意が必要です。